Fine Geometry on Plasticプラスチックの微細加工
独自技術でプラスチックの微細加工を実現
深江化成では、プラスチック射出成形による超微細加工技術を確立しています。従来の成形では不可能といわれていた微細加工も、レーザー加工や後加工は一切おこなわず、すべて射出成形のみで可能にしています。
具体例を挙げると、髪の毛(80µm)よりも細い、先端径が数ミクロンという微細針の製作が可能です。

微細加工技術応用例
深江化成では、微細加工技術を応用し、微細針の開発などをおこなっています。PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)などの汎用樹脂だけでなく、PLA(ポリ乳酸)、PGA(ポリグリコール酸)など生分解性樹脂や医療用原料でも成形可能です。
ご希望の樹脂があれば、それを利用した成形にもチャレンジしてまいりますので、一度ご相談ください。
中空微細針の量産
生分解性樹脂で、髪の毛より細い針の人工皮膚への刺入に成功しました。刺入の様子については、以下の動画にてご覧ください。
微細針刺入動画
真皮層への投薬が可能なマイクロニードルの成形

針長=1000µm、内径=50µm 16本の中空針アレイ。一度に16本の針を成形しても不良なく作れる精度の高さが深江化成の技術です。
深江化成の射出成型技術と一般的なキャスト法による中空微細針との違い
プラスチックで中空微細針をつくるには幾つかの方法があります。他社で製品化されている例としてはキャスト法がありますが、当社ではより精密で量産メリットの高い射出成形による生産が可能です。
- プロセスの違い
射出成形は、原料の樹脂を熱で融かし金型に圧入し冷却によって固めます。
キャスト法は、原料を溶媒に溶かし金型に流し込み溶媒を蒸発させ固めます。 -
射出成形は量産向き、キャスト法は試作向き
キャスト法は金型が安価で原料の充填が楽なため、初期投資を抑えて手軽に始められるメリットがあります。試作には便利ですが、蒸発に数時間単位の長い時間と製品を静置する広いスペースを要するため、大量生産には向きません。
また、蒸発する溶媒の体積分、製品の密度は粗くなり、空孔や縮みの発生などの不安定要素が量産時の製品安定性のネックになります。
一方、射出成形は金型にいろいろな機構が付いており、金型設計、製作にそれなりの手間と費用をかける必要があります。しかし、冷却による固化は数十秒単位と短く、自動化にも対応でき単価を大幅に圧縮できるため量産向きです。品質面も、原料を型に溶融、圧入するため、安定した成形ができます。 -
中空微細針を射出成形で量産する技術力
射出成形のメリットが明白であるにも関わらず、一般的でないことには理由があります。
射出成形での中空微細針作成には、微細な射出成形用金型をつくる技術力、射出成形機の射出圧力、温度など多くのファクターの繊細なコントロールなど、高度な技術力が要求されるからです。
試作段階から量産を見越した製品設計を行えるのも、射出成形の高い技術力を持つ当社の強みです。
生分解性樹脂の使用メリット
生分解性樹脂の使用は以下のようなメリットがあります。
より精度を高く、表面を滑らかにしたマイクロプレート
微細加工により、精度だけでなく表面を滑らかに仕上げることが可能となり、低コスト・大量生産を実現できます。

微細射出成形品である左の写真とガラス切削品では、製品表面に大きな差があることがお分かりいただけると思います。また、他社のプラスチック製品の場合、グリッド線が凸になっています。グリッドの直線性、滑らかさはガラスよりも優れており、細部まで見やすく、かつ細胞がひっかかるようなこともありません。これにより、優れた品質のセルカウンターやマイクロスケールといった製品を実現しています。
マイクロ流路 - 微細加工と表面改質技術の融合
微細溝を刻んだプレートを表面改質技術を使って貼り合わせることで、熱や接着剤を使用することなく密閉型のマイクロ流路を作成できます。これにより微細形状が熱で変形したり、接着剤が流路にもれたり、接着剤の成分の溶出を気にしたりする必要がなくなります。 培養した細胞や生体組織に局部的に薬剤を反応させて観察するなどの応用が期待されています。
その他の微細加工応用例
応用分野 | 製品例 |
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医療分野 ライフサイエンス分野 |
DDS 手術用針 ランセット 微細ナイフ 細胞培養 美容関連製品 撥水性・疎水性部品 |
電子部品分野 | マイクロパイル構造 導光板 撥水性・疎水性部品 反射防止板 |
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