プラスチック同士を貼り合わせる方法は、接着剤を用いるか熱溶着が一般的です。しかし、どちらにも弱点があり、目的の機能を満たせないこともありました。 表面改質接合技術では、このような問題に新しい解決の選択肢をひらきます。
これらの課題を解決する新しい方法であるプラスチック表面改質による接合技術をお客様のデバイス開発に是非お役立てください。
従来の熱溶着・接着剤とは全く違い、分子レベルで「接合面そのものの性質を変えて接合する」というもので、形状が崩れたり接着剤に含まれた物質が溶出したりする心配はありません。そのため、微細形状の溝や穴加工が施された部品を接合して作るマイクロ流体デバイスや臓器チップなどへの応用にも適しています。
表面改質による接合で貼り合わせて作ったマイクロ流路。一番細い中央の流路は幅50 µm
COP やCOC 樹脂は様々な特徴がありライフサイエンス分野ほか食品包装、光学製品などの分野での利用拡大が期待される素材ですが、難接着性の樹脂であるため、マイクロ流路のような、微細形状を貼り合わせる面に持つデバイスへの応用は不可能でした。 しかし、この表面改質の技術により貼り合わせが可能になり用途がさらに広がりそうです。
COP 樹脂 やCOC 樹脂は上記のように数々の非常に魅力的な性質を持っています。この接合の成功により、高い光学性能と生体安全性を兼ね備えた夢のようなデバイスが開発可能になりました。
深江化成では、現在、PMMA、PC をはじめとした、他の樹脂や異種材料同士の接合でも研究を進めています。様々な素材の接合可能性についてはお気軽にお問い合わせください。
細胞培養を行うときに、シャーレなどの基材表面の水に対する濡れやすさ(親水性)や表面の官能基および電荷が細胞の増殖と分化に影響を与えることがわかっています。特に接着細胞の培養は、基材表面に細胞が吸着できることが重要で、細胞表層の電荷と基材の相性が培養のカギを握っているといわれています。この相性は細胞種によって異なっているため各方面で様々な表面改質手法やコーティングが試みられています。私たちも培養プレートの開発に伴い独自に研究とノウハウの蓄積を進めています。
プラスチック表面改質技術は、接合技術、親水化、細胞の足場形成、その他、まだまだ様々な可能性を秘めた技術です。WATSON製品だけでなく他社様にもご活用いただけるよう広くパートナー企業を募集しております。お気軽にお問い合わせください。
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